弾薬庫:初期の戦車では砲弾は車体側面・砲塔後部・床下・砲塔バスケット周囲など、詰め込めるだけ詰め込まれ、被弾時の砲弾の誘爆に関してあまり考慮されていなかったが、第二次世界大戦時のM4中戦車は誘爆が問題となり、ウェット(湿式)弾薬庫を採用した。しかし、誘爆を根絶するには至らなかった。現代の西側戦車は砲塔後部に砲弾を格納することが多いが、これは被弾によって内部の弾薬が誘爆した際に爆圧で上面の装甲が比較的早期に吹き飛ぶことで内部への被害を最小にするように開発された「ブローオフパネル方式」になっていて、弾薬庫と戦闘室とは隔壁で仕切られ、1発の砲弾装填ごとに小さなドアが開け閉めされるものが多い。ソ連戦車は自動装填装置が装填し易い様に砲弾を砲塔基部を取り囲むように配置しているが、被弾時の誘爆で被害が拡大する場合が多く、チョールヌィイ・オリョールのように西側同様の方式に改造された試作車もある。
自動装填装置:射手の選択指示に従って、装填手に代わり自動装填装置が砲弾を弾薬庫から受け取り、主砲へ自動的に装填する。人間の占有スペースが削減出来、人的損耗や給餌等の補給、人件費や教育訓練の負担等が軽く出来るが、故障リスク増大や人的冗長性の低下、戦闘時以外での保守整備と警備人員の減員が問題となるため、早計に機械化が有利とは決められない。一方で、装填速度も錬度の高い装填手であれば数発までは同等の速度が可能だが、荒地での走行間射撃や長い連続発射時には差が生まれる。1人の装填手が扱える一体化砲弾カートリッジは現用の120mm弾や125mm弾までが上限であるといわれており、これを越える140mmや152mmといった砲弾は発射薬が分離されるか、完全に自動装填装置によって扱われる必要がある。現代型の戦車では完全自動の装填装置でなくとも半自動で装填手の負担を軽減する装置が搭載される。被弾時の火災の延焼を避けるため、従来の油圧は避けて電動になる傾向がある[出典 1]。
ペリスコープ:砲塔上でハッチから頭部を出して目視視察するのが危険な戦闘中は、鏡を組み合わせたペリスコープを通じて安全な位置から視認する。固定式のものを複数を環状に配置してほぼ全方位を監視できる物や、それ自体が回転する物もある。砲塔上では車長用の物が必須であり、装填手用の物も備わるものがある。また、操縦手用の物も前方向きに備わっている。20世紀末からは可視光や赤外線によるTVカメラの映像取得や、21世紀の現在では車体各部のカメラ映像を統合処理して全周の外景を映し出す画像システムも開発されている。
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ハッチ:厚い乗降ハッチにペリスコープが付いているだけのものが多い。ハッチ脇に機関銃用マウントが備えられるものがあり、運用形態に応じて機銃が搭載される。肉眼や直に耳で周囲警戒することが見直され、ハッチを水平に少しだけ開けた状態で保持する機構を持つものが登場している。
近接防御兵器:近接する敵歩兵などを攻撃するために、従来の車長用機銃に代わって砲塔上部にRWS(Remote Weapon System)と呼ばれる遠隔操作式の機関銃座、または迫撃ロケットポッドを備え、車内からは映像装置によって操作する兵器を備えるものがある。また、車内から装填できる擲弾筒を砲塔などに装備ものがある。イスラエルのメルカバは砲塔に迫撃砲を装備しており、特にMk.II以降は車内からの装填が可能になった。また第二次世界大戦時の独軍戦車の一部には、Sマインと呼ばれる対人攻撃用の跳躍地雷を備えるものがあった。
ヴェトロニクス:20世紀末からは戦車にも、航空機搭載の電子機器であるアビオニクス(Aviation+electronics=Avionics)にならってヴェトロニクス(Vehicle+Electronics=Vetronics)と呼ばれる高度な電子機器が装備されるようになっている。ヴェトロニクスには、火器管制装置や通信情報共有システム、GPS、敵味方識別装置、車外監視システム、攻撃警戒システム、動力系制御装置などが連動されており、必要に応じて切替可能な表示装置によって乗員の意思決定を助け迅速な操作を可能としている。
砲塔バスケット:砲塔下に吊り下げられた「かご」状の構造。これがあると、床(プラットフォーム)に装填手が立つことで砲塔の回転に煩わされることなく装填作業が可能になる。しかし戦車長や砲手は、砲塔に付いた座席に座っているので関係ない。T-34のように床下に砲弾が収納されている戦車や、自動装填装置を備えた戦車には付いていない。またT-64、T-72、T-80などはここに弾薬が環状に置かれており、やはり自動装填なので装填手が立つためのプラットフォームは無い。
換気装置:核兵器や化学兵器に対する生残性向上のため、放射性物質や有毒ガス類を除去できる空気清浄装置を備えた換気装置を装備している。第二次世界大戦までの戦車は単に換気扇で排気するだけであった。
自動消火装置:戦闘室やエンジン室に取り付けられ、被弾時の延焼拡大を防ぐ。
トラベリング・ロック:移動・輸送中に主砲身を固定して、振動による破損・故障を防ぐ為の支持架。一般に車体後部に位置しており、砲塔を後ろ向きにして固定する形式の車両が多い。
ウインカー:戦後の日本・ドイツ・イギリス・フランスなどの戦車には、一般道路走行用のウインカーが装備されている。
迷彩塗装:初期の戦車はその存在を誇示して敵兵に脅威を与えるのも大きな目的だったが、対戦車兵器の登場と共に隠密性が求められるようになり迷彩が施される様になった。現地の風土や植生に適合した色やパターンが求められるため、塗装が不適合だった場合は現地であり合わせの材料で応急的に迷彩が施される事もある。また冬期には石灰や水性塗料などを用いて一時的に白色迷彩が施される事が多い。近年は低強度紛争(LIC)の増加を受けて、市街地戦闘で有効な迷彩の研究が進められており、可視光域だけでなく赤外線探知を回避する為に、赤外線波長域まで迷彩塗装が考慮されている。
車外装備品:OVMとも呼ばれ、予備の覆帯や牽引用のシャックル・ワイアー、ハンマー、ピッケル、シャベル、消火器、雨よけシート、テントなどを車体外部に付けていることが多い。整備・修理に用いるジャッキや履帯張度調節器、工具も重要である。21世紀の現在では、HEAT対策として用いられる籠状の防護フェンスと同様の効果が期待されるために、砲塔周囲に搭載されることが多い。第二次世界大戦時のドイツ戦車の砲塔後部にはゲペックカステン(Gepäk Kasten)と呼ばれる用具箱がつけられており、中に工具などが入れられていた。ソ連/ロシア戦車では悪路脱出用の丸太と多用途の防水シートが標準装備されている。予備履帯は防御上の効果を狙って、車体前面や砲塔側面にびっしりと取り付けられる場合があった。
プラウ:車体先端に取り付けられた大きな鋤(すき、plough)で車輌幅全体や履帯が通過する幅の地面を掘り起こし、対戦車地雷を排除してゆく。実際にプラウを装備するのは数台に1台で良いが、現代の戦車には必須の装備となっている。